初心者やファミリーでも楽しめる北海道トレッキングスポット10選

初心者やファミリーでも楽しめる北海道トレッキングスポット10選

大自然が広がる北海道。北海道の自然をより間近で体感するならトレッキングがおすすめです。自分の足で歩くからこそ出会える光景は格別!

北海道には多くの登山スポットがありますが、ここでは初心者やファミリーでも楽しめるトレッキングコースをご紹介します。

北海道トレッキングの装備や注意点

北海道は夏でも気温が低く過ごしやすい気候のため、トレッキングに最適な地。ただし、北海道ならではの注意点もあります。


・歩道が整備してある場所でも、トレッキングシューズや歩きやすい運動靴の準備を忘れずに。

・山の頂上は真夏でも気温が氷点下になったり、9月に初雪が観測されることもありますので、1年を通して防寒着の準備は必須です。

・ヒグマが生息している山もあります。熊鈴も忘れずに!

・貴重な動植物が多い北海道。野生動物に遭遇した場合は、大きい声を出さずに静かに見守りましょう。

・キタキツネには「エキノコックス」という虫が寄生している場合が。キタキツネには絶対に触らないようにしてください。

・寄生虫がいる場合があるので、沢の水(生水)は飲まないでください。飲み水のご準備を忘れずに。

・なかには活火山の山も。事前に情報収集してお出かけください。また、登山届は忘れずに提出しましょう。


万全の準備をして、安全にトレッキングを楽しんでください。観光協会などで主催しているトレッキングツアーに参加したり、山岳ガイドを依頼するのもおすすめです。

ファミリーでも楽しめるトレッキングコース

大雪山 旭岳散策コース


標高2,291mで北海道最高峰の山、旭岳。そんな旭岳にも旭岳ロープウェイ 姿見駅から約1時間の周遊散策コースがあり、初心者でもトレッキングを楽しむことができます。


約1.7kmのコース内には、夫婦池や姿見の池などの池や旭岳が眺められる展望台がいくつも整備されています。なかでも「姿見展望台」にはぜひお立ち寄りを。晴れた日には姿見の池の湖面に旭岳が映し出され絶好の撮影スポットに!

散策していると噴煙が出ている場所が!? 噴気孔からもくもくと水蒸気が上がる姿と「ボボボボ」という音は圧巻の迫力です。また、第三展望台から第四展望台への道はエゾシマリスが現れるスポットとしても有名です。


日本一早いとされる旭岳の紅葉のはじまりは8月末頃。徐々に紅葉がはじまり、10月上旬頃に山の麓まで降りてきます。9月になると散策コース内にも秋の訪れが。草が黄金色に色づく草紅葉がはじまり、白いお花から綿毛に変化したチングルマの姿を鑑賞することもできます。


※紅葉の時期は毎年大変混雑します。時間に余裕をもってお出かけください。

大雪山 黒岳カムイの森のみち


大雪山連峰のひとつでもある標高1,984mの山、黒岳。大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイで5合目まで、さらに黒岳リフトを乗り継いで一気に7合目まで上ることができます。


その7合目にある散策路「黒岳カムイの森のみち」は往復約30分の軽トレッキングコース。木に囲まれた散策路の長さは約340m。晴れた日には木々の間から光が差し込み、爽快なトレッキングが楽しめます。散策路を抜けると到着する展望台の正面には、どっしりとそびえる黒岳の姿を見ることができます。遠くには「あまりょうの滝」を見ることも。山頂から7合目の紅葉の見頃は8月下旬~9月上旬まで。この展望台でも彩り豊かな美しい姿を見せてくれます。


また、ロープウェイとリフトを乗り継ぐ間にある5合目の散策もおすすめです。5月下旬~6月上旬にかけて開花する桜「チシマザクラ」の名所でもある展望台「高松台」、6月中旬頃~8月中旬頃に約100種類の高山植物が見頃を迎える「ロックガーデン」など見どころ満載。ロープウェイ黒岳駅にある「屋上展望台」からは、美しい大雪山系の山々や山の麓にある層雲峡温泉街を眺めることも。7合目散策の後はぜひお立ち寄りを。

知床五湖 高架木道、地上遊歩道


原生林の中に佇む知床五湖。湖の周辺にはヒグマやクマゲラなど多くの野生動物が生息していて、知床の自然の豊かさを実感できる場所。そんな知床五湖を存分に楽しめる2つの歩き方をご紹介します。

※高架木道、地上遊歩道ともに、11月中旬~4月中旬は閉鎖しています。

高架木道
高架木道
全長約800mの木道が続く「高架木道」。バリアフリー構造なのでベビーカーを押しての散策も可能。ファミリーでも気軽に散策を楽しめます。一湖の湖畔まで行くことがでるコース内には3つの展望台が設けられていて、知床連山を眺めたり晴れた日には一湖の水面に映る山々を見ることも。ヒグマ除けの電気柵が設置されているので、ヒグマの出没情報があっても安心して散策を楽しむことができます。
地上遊歩道
地上遊歩道
もっと知床の自然と戯れたい方は「地上遊歩道」の散策がおすすめ。一湖と二湖を巡る全周1.6kmの小ループと5つすべての湖を巡る全周3kmの2つのコースがあります。原生林の中を進むコース内では、野生の植物や動物を見ることができるチャンスが訪れることでしょう。静寂の中に佇む湖も神秘的な光景です。
※「地上遊歩道」は有料。知床五湖フィールドハウスにてレクチャーを受けた方のみ散策できます。

釧路湿原 温根内木道、釧路市湿原展望台遊歩道


28,788haもの広大な面積を誇る日本最大の湿原、釧路湿原。釧路湿原を存分に楽しむなら、間近で雄大な自然を体感できる遊歩道トレッキングがおすすめ。ここでは6つある遊歩道の中でもバリアフリー木道が設置された「温根内木道」「釧路市湿原展望台遊歩道」の2コースをご紹介します。

温根内木道
温根内木道
釧路湿原の西側に位置する「温根内(おんねない)木道」。温根内ビジターセンターを起点に約3kmの木道が整備されていて、約1時間ほどの釧路湿原散策が楽しめます(バリアフリー木道はその内約2km、約40分コース)。遮るものが何もないコース内からは、どこまでも続く釧路湿原の大自然を間近に鑑賞することができます。
ビジターセンターの受付では散策マップや双眼鏡も無料で借りられるので、ぜひ立ち寄ってみて!
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釧路市湿原展望台遊歩道
釧路市湿原展望台遊歩道
「釧路市湿原展望台遊歩道」は釧路市湿原展望台から1周約2.5kmの木道が続くコース。そのうち、右回りのサテライト展望台までの約1kmがバリアフリー構造。コース内には休憩スポットもあるので、ファミリーでも気軽に散策を楽しむことができます。サテライト展望台から見る釧路湿原は壮観で、見渡すかぎりの大パノラマ!
6~8月はお花の見頃を迎え、散策にはおすすめの季節。運が良ければタンチョウやエゾシマリスなどの野生動物と出会えるかもしれません。大自然広がる釧路湿原をたっぷり満喫してくださいね。
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礼文島 桃岩展望台コース


「花の浮島」と呼ばれる日本最北の島、礼文島。6月中旬~8月初旬ごろには多くの高山植物が次々と咲き誇り、トレッキングを目当てに多くの観光客が訪れます。礼文島のトレッキングコースは全部で7コース。今回は、桃岩登山口から知床まで約5.7km、所要時間約2時間の「桃岩展望台コース」をご紹介します。


コース内には景勝ポイントが点在しており、頂上が尖っていてまるで桃の実のように見える「桃岩」、6月には礼文島固有種のレブンキンバイソウのお花畑が広がる「キンバイの谷」、山頂付近から360度大パノラマの絶景を眺望できる「ツバメ山」、白黒の灯台と海の向こうにそびえる利尻富士との競演が美しい「元地灯台」など、見どころが満載。

このコースは季節ごとに次々と高山植物が咲くことから「フラワーロード」と呼ばれるほど島内に咲くほとんどの高山植物が見られるのだそう。可憐に咲く花々を愛でながら、フラワートレッキングを存分に楽しんでください。


フェリーターミナルから桃岩登山口までは、徒歩で約40分。歩いてでも行けますが、バスやタクシーで登山口まで移動することもできます。下山後は知床バス停からフェリーターミナルまでバスでの移動がおすすめ。フェリーターミナルに到着したら「礼文島温泉 うすゆきの湯」の源泉かけ流し温泉で、疲れた体を癒しましょう。

ビュースポットとしても有名!トレッキングでも登れる2つの山

函館山 旧登山道コース


世界三大夜景のひとつとされる函館山。ロープウェイだけではなく、歩いて山頂展望台までいける事をご存じでしたか?初心者~上級者向けまで11のコースがありますが、ここでは初心者向けの「旧登山道コース」をご紹介します。


「旧登山道コース」は函館山ふれあいセンターから山頂展望台までの約1時間のハイキングコース。ゆるやかな登り坂にはなりますが、道幅が広く登りやすいので子供と一緒でも安心してトレッキングを楽しむことができます。コース内には荒々しい御殿山溶岩の岩肌が見られるポイントや野鳥観察小屋などのスポットもあり、函館山の自然を満喫できます。そして、終点の山頂展望台から見下ろす景色は一汗かいた後の最高のご褒美。


往復トレッキングを楽しむのもいいですが、帰りはロープウェイやバスで下山する手も。暗くなる前にトレッキングで山頂をめざし、山頂で休憩して夜景を見てから公共交通機関で下山してみてはいかがでしょうか?また違った函館山観光を楽しめるかもしれませんよ。


登山道の入口にある「函館山ふれあいセンター」では登山者へコースや動植物の情報提供を行っているので、登山の前にぜひ立ち寄ってみてください。

藻岩山 慈啓会病院前コース


札幌の美しい街並みを一望でき、夜景スポットとしても人気の藻岩山(もいわやま)。標高531mの山頂まではロープウエイとミニケーブルカーを乗り継いで到着できますが、登山で登ることもできます。今回は藻岩山登山道の5コースの中でも一番人気の初心者向けコース「慈啓会病院前コース」をご紹介します。


「慈啓会病院前コース」は約2.9km、所要時間約2時間のコース。山そのものが原始林として天然記念物に指定されている藻岩山にはリスなどの小動物のほか多くの野鳥も生息しており、あちらこちらから鳥の鳴き声が聞こえてきます。藻岩山の手付かずの自然に触れながら山頂を目指しましょう。

もいわ山ロープウェイ山頂駅の1階には、休憩室や着替え室がある登山者休憩施設も完備。山頂到着後、着替えをしてからロープウェイで下山することもできますよ。


登山口まではバスでの移動がおすすめ。地下鉄円山公園駅前からJR北海道バスに乗り約10分、慈啓会前バス停で下車して徒歩約2分で登山道入り口に到着できます。

初心者でもOK!大自然の中を進む登山道

樽前山(たるまえさん)東山コース


標高1,041m、支笏湖の南東に位置する活火山の樽前山。支笏湖や太平洋を眺めながら本格的な登山ができるとあって、休日には多くの登山者が訪れる人気の山です。今回は、登山を始めたばかりの初心者にもおすすめの「東山コース」をご紹介します。


「東山コース」は登山口となる7合目駐車場から外輪山の最高地点である東山山頂まで、所要時間約1時間のルート。登山口からわずか約10分ほど歩くと見晴台が。ベンチが設置されているこの場所は支笏湖を見渡せる撮影スポット。雄大な支笏湖を眺めながら早速小休憩を。

見晴台からしばらく歩くと、分岐地点となる外輪山取付へ到着。目の前に溶岩ドームの姿を見ることができます。ゴツゴツとした岩肌の溶岩ドームからは白煙があがる日も。この分岐を東山方面に進み、山頂まではあと少しです。森林限界を超えた裸山の東山山頂から間近に望む溶岩ドームは迫力満点。東山山頂の看板と一緒に記念撮影を!360度の大絶景をご堪能ください。


※樽前山は活火山のため火山原は立入禁止です。

※登山口までは車での移動のみとなります。満車になる場合もあるので、朝早めにお出かけください。

※山開きは5月中旬頃。山納めは降雪に応じて11月中旬~下旬頃となります。

イワオヌプリ


標高1,116m、アイヌ語で硫黄の山の意味を持つイワオヌプリ。むき出しの岩肌部分が多く迫力のある山ですが、登山初心者でも比較的登りやすい山です。


五色温泉インフォメーションセンターの横にあるニセコ神社から所要時間約1時間で山頂まで登ることができます。出発してすぐにある急階段は無理をせず自分のペースで。急階段を抜けるとなだらかな道が続くので最初が頑張り時です。

しばらく歩くと大沼・ニトヌプリへ向かうルートとイワオヌプリ山頂に向かう分岐があるので、通りすぎないようにご注意を。分岐から山頂までは火口の縁に沿って進みます。岩がゴロゴロしているガレ場もあるので慎重に歩きましょう。山頂からはニセコの山々や羊蹄山を見渡すことができます。


※山頂付近は霧が濃くなる日も。道に迷いやすくなるため、無理せず引き返しましょう。

※登山口までは公共交通機関では移動はできません。タクシーやレンタカーを利用してください。

※入山前は五色温泉インフォメーションセンターにお立ち寄りを。登山道の最新情報を入手することができます。(11月~5月は休業)

  • 室蘭岳から噴火湾を望む

鷲別岳(わしべつだけ)夏道コース


標高911m、室蘭岳山麓公園内にあり、初心者に優しい山として地元の登山客が多く訪れる鷲別岳(別名:室蘭岳)。鷲別岳の登山ルートは初心者~上級者向けまでの3ルート。今回は距離が最も短く初心者向けの「夏道コース」をご紹介します。


「夏道コース」は室蘭岳山麓公園内の駐車場から山頂まで所要時間約1時間20分のコースです。途中、ガンバリ岩と呼ばれる登りがきつくなる場所はありますが、その他はなだらかな道なので初心者でも安心のルート。落ち着いた雰囲気の水神社、ダケカンバの樹林帯での森林浴、爽やかな風が吹く笹の草原など、大自然を満喫できるスポットが点在しています。山頂には鐘が設置されているので登頂記念に鳴らしてみては。天気がいい日は室蘭市街を眺めることができ、東日本最大の吊り橋「白鳥大橋」の全景を見ることも。白鳥が羽を広げたような優雅な姿の橋をぜひ探してみてください。


※登山口までは公共交通機関では移動できません。タクシーやレンタカーをご利用ください。

※駐車場から約15分歩いた場所の白鳥ヒュッテ脇に登山届BOXが設置してあります。

北海道の山では、6月にまだ山に雪が残っていたり、9月になると雪が降ることが。なかには冬でも登れる山もありますが、雪に備えてアイゼンなどの特別な装備が必要になる場合も。

そのため、初心者におすすめの時期は6月下旬~9月中旬ごろまで。山の天気は変わりやすいため、登るにつれて雪が積もっていたり、霧が出てくる場合も。その際は、せっかく来たから進もうではなく、引き返すという決断を。判断を間違えず、安全にトレッキングを楽しみましょう。

また、ゴミは捨てない、植物などは持ち帰らない、コース外には出ない、など登山の基本的なマナーを守って、北海道の雄大な自然を存分に体感してくださいね。

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