大雪山国立公園・然別湖「スノーシュー＆クロスカントリー」

帯広市内のホテルに集合。大冒険を始める前にガイドから旅程をご説明し、参加者の自己紹介をします。

夕食は豚丼のセットメニュー。豚丼は帯広の名物で、その歴史は開拓時代に遡ります。当時の帯広地方では牛は牛乳のため、馬は動力のため、豚は食べるためと区別されていました。その頃から豚肉を食べていた帯広では、時代とともに豚丼が食文化に欠かせないものとなったのです。

ホテルでの朝食後、ロビーに集合して貸切バスで鹿追地区へ。約1時間半の移動の車中ではガイドが鹿追地方についてお話しします。

この日の最初の目的地は鹿追ジオパークビジターセンター。専門スタッフが出迎えて館内を案内し、鹿追地区について説明してくれます。然別湖、十勝地方、鹿追地方の大地がどのように形成されたのか、また、地域に生息する生物についても学びます。この地域の気候は北海道の中でも寒冷で、「氷河の博物館」とも呼ばれる独特の地形と生態系を形成しています。ここで然別湖の成り立ちや特徴を学んだ後、実際に野外に出て自然を肌で感じれば、また違った角度から旅を楽しむことができるでしょう。

午後のアクティビティは、スノーシューズを履いて森の中をトレッキングするところから。この寒い地域特有の雪質や、冬の動物たちの痕跡、寒さに耐える植物などを観察します。然別湖周辺の森は原生林に囲まれ、オジロワシやシマフクロウなど貴重な野生動物も観察できます。午前中にジオパークで学んだことを、実際に目で見て体験するチャンスです。

森の中を2時間ほどトレッキングした後は、アイスバーでティータイム。飲物は然別湖の清らかな水で作られたグラスで提供されます。このアイスバーは、然別湖ネイチャーセンターのスタッフが毎年、来場者に楽しんでもらうために作っています。ドリンクを片手にアイスバー作りの体験談を聞くのも楽しいひとときです。

この日の最後の体験は氷上露天風呂の入浴。然別湖の美しい景色を堪能できるベストポジションにあります。水着とタオルをお忘れなく！

夕食後、天候が良ければナイトウォッチングへ。ガイドと一緒に然別湖を1時間ほど歩きます。ホテルを出て少し歩くだけで、人工的な明かりのない夜の世界を見ることができます。冬は夏に比べて空気が澄んでいて空には明るい星がたくさん。オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座、北斗七星の冬の大三角を観察することができます。

午前中のアドベンチャーは然別湖でのクロスカントリースキー、聖なる湖・東雲（しののめ）湖へ向かいます。東雲湖は周囲1kmの小さな湖で、北海道三大秘湖のひとつとして知られます。然別湖東岸の原生林の奥深くにあり、徒歩でのみアクセスが可能で、太古の昔から守られてきた荘厳な雰囲気が漂います。移り変わる景色、湖の自然の造形、どこまでも続く雪原、広い空を楽しむのにクロスカントリースキーはぴったり。所要は3時間です。

午後はネイチャーセンターのスタッフと一緒に、特別に企画されたコタンのガイドツアーへ。然別の冬季の気温は日中で氷点下5～10度、夜は氷点下15～20度、日によっては氷点下30度まで下がることもあり、この地域は極寒の地となります。この寒さ、雪、氷を最大限に活用するため、ネイチャーセンターのスタッフが始めたのが「然別湖コタン」プロジェクト。このツアーではコタンの歴史やイグルー建設秘話、このプロジェクトが自然と人をどのようにつないでいるのかをスタッフが紹介します。

この日の夜はアイス・ロッジに一泊します。凍った湖の上に作られたイグルーに泊まれるのはここだけ。ベッドのように設えた雪と氷の上に寝袋を敷いて寝ます。外気温はマイナス30度まで下がりますが、イグルーの中は風が吹き込まないので暖かく快適です。寝袋に入れば、暖かく心地よい眠りにつくことができます。静かな湖上で氷のきしむ音を耳に、イグルー越しに光の変化を感じながら夜を過ごすのは、またとない体験です。

起床後、ホテルで朝食をとる前に然別湖周辺の散策。朝6時にイグルーの外でガイドと合流し、周辺を歩きながら、夜に活動していた冬の動物の痕跡を探します。早朝に歩くことで、幻想的な樹氷やダイヤモンドダストを見ることもできます。

朝食後は、チェックアウトして貸切バスで帯広駅に向かいます。バス移動は約1時間半。車中でこのツアーで経験したことを振り返り、互いのコメントを共有しましょう。駅に着いたらガイドに別れを告げ帰路につきます。