注目の「酒どころ」北海道!北の大地が育む"お酒"を五感で愉しむ
近年、ワイナリーをはじめ、日本酒の酒蔵が次々と誕生するなど、今や「酒どころ」として注目を集める北海道。徹底して品質を追求する取り組みが北海道内各地で始まっています。
ワイン、ウイスキー、日本酒、ジンと、大自然の恵みを存分に受けたその土地でしかできない酒づくり。北海道の新しいお酒を訪ねる旅に出かけましょう!
国内外から注目される北海道産ワイン
広大な土地と冷涼な気候。湿度が低く夏の降雨量が少ない北海道は、国内最大の醸造用ぶどうの産地!さらに、ワインの本場であるフランス北部のシャンパーニュ地方と似た気候なので、ワインの醸造にもぴったりです。
北海道にはじめてぶどうが植えられたのは1875年。その後、池田町が町の財政危機を救うため、日本初の自治体が経営するワイナリー「ブドウ・ブドウ酒研究所」でワイン造りを再開したのが、現在の北海道産のワインの歩みの始まりとなりました。
以降も北海道産ワインは試行錯誤を重ねて進化を続けています。近年は既に国内外で実績のある生産者が理想のワイン造りの地として北海道を選び、北海道初のワイン特区である余市をはじめ、北海道内各地に移住してワイン造りに挑んでいます。
今注目の余市町や仁木町、岩見沢市、三笠市など農村地帯をドライブすると、一面に広がるぶどう畑の景色に出会えるはず。大型ワイナリーや、自然派ワインを追求する小規模なワイナリーまで、多種多様なワイナリーが道内各地にあり、国際的なコンクールで受賞するようなレベルの高いワインが作られています。国内外問わず注目されている北海道産ワインをお楽しみください。
北海道でのワイン造りのパイオニア 十勝ワイン/いけだワイン城(道東 十勝・帯広エリア)
北海道で最初にワインの生産を始めた十勝の池田町。
ヨーロッパ中世の古城に似ていることから「いけだワイン城」と呼ばれる、池田町ブドウ・ブドウ酒研究所は、JR池田駅の東側に広がる清見の丘の上に建ち、地下の熟成室の見学や試飲、十勝の食材を使ったレストランを楽しめる、人気の観光スポットです。
十勝ワインは、北国特有のぶどうの豊かな酸味を生かした辛口がメイン。原料の酸味の強さが生み出す良質なスパークリングワインやブランデー等を製造しているのも、十勝ワインの特徴のひとつです。
自然に凍った完熟ブドウを圧縮したアイスワインや、かつては町民限定で格安販売していた"町民用ワイン"(現在は町民以外も購入可能)が人気です。
ワイナリーを巡ろう!【道央 空知編】
札幌からのプチ旅行には、空知(そらち)エリアのワイナリー巡りがおすすめです。空知エリアは7つのワイナリーや多数のヴィンヤード(農園)があり、今や北海道でも指折りのワイン生産地となっています。
空知のワイナリーの特徴は、ひとつひとつが小さな規模で丁寧に造られていること。そのため、生産量が限られ産地以外ではなかなかお目にかかれません。ひとつひとつに手間をかけ丁寧につくられるワインは、こだわりの逸品として高い人気を誇ります。そらちワインを取り扱っている飲食店も多く、なかなかお目にかかれない秘蔵のワインに出会う驚きと楽しみを味わえます。
- 宝水ワイナリー(道央・岩見沢市)
- ぶどう畑を見下ろす丘の上に立つ、見晴らしの良いワイナリー。ぶどうの栽培から瓶詰めまで手作業で行っており、自社畑のぶどうを使用した「RICCA」シリーズがおすすめです。直売所と醸造所が同じ建物なので、お買い物と醸造所見学を楽しめます。4月下旬~11月上旬に販売される自家製ぶどうの果汁ソースをかけた「ぶどうソフト」も大人気!ワイナリーに立ち寄った際は、お買い物ついでにぜひ食べてみてくださいね。
- 宝水ワイナリー公式サイト
- TAKIZAWA WINERY(道央・三笠市)
- オーナーの滝沢信夫さんが、60歳から無農薬のワイン造りに挑戦。北の大地の力を引き出し、生命力あふれるワイン造りを目指すワイナリーです。化学肥料や農薬を極力使用せずぶどうを野生酵母で発酵させた自然派ワインは、からだに優しく、全国に多くのファンを抱えます。ワイナリーでは、ぶどう収穫祭などのイベントや瓶詰め体験を実施。地元民からも愛されているワイナリーです。
- TAKIZAWA WINERY公式サイト
- YAMAZAKI WINERY(道央・三笠市)
- 空知ワイナリーのパイオニア。少量ながら、世界的にも高評価を得る質の高いワインを送り出しています。丁寧に育てられた自家栽培のぶどうのみを使用しており、「この土地を訪れて、ここでつくられたワインを飲んでほしい」という思いから、そのほとんどをワイナリー併設のショップで販売しています。家族経営のためアットホームな雰囲気で、小規模ワイナリーの魅力がぎゅっと詰まっています。
※ワイナリーの見学案内・試飲はおこなっておりません。 - YAMAZAKI WINERY公式サイト
- 馬追蒸溜所(道央・長沼町)
- 寒さに強い山ぶどう系の品種を中心にワイン造りを営むワイナリー。自家栽培するぶどうは、他のワイナリーではあまり見られない珍しい品種がほとんど。風味も特徴的な、個性豊かなワインを製造しています。園内には広大な石狩平野を一望する見晴台も設置されており、その眺望に魅了される人も後を絶ちません!
※画像はイメージです。 - 馬追蒸溜所
ワイナリーを巡ろう!【小樽・余市・ニセコエリア編】
リンゴをはじめとする果樹の街・余市や仁木。なかでも2011年に北海道初のワイン特区となった余市は、海以外の三方向が山に囲まれているため余市湾を臨む丘陵地帯がぶどうの産地となっていて、実はワイン用ぶどうの収穫量も北海道一を誇ります。
今、ワインの生産地として注目を集める余市や仁木をはじめ、小樽やニセコ近郊には、ワイナリー見学や試飲だけでなく、ぶどう畑に囲まれたワイナリー&レストランやオーベルジュも多くあり、産地でとれた食材とワインとのペアリングも楽しめます。近年、多くの食通たちの注目を集める新しいワイン産地です。
- 北海道ワイン株式会社(道央・小樽市)
- 年間約200万本以上を出荷している、北海道最大級のワイナリーです。親しみやすくフルーティーな「おたる」シリーズは、全国のスーパーや百貨店、コンビニでも販売され、よく知られている銘柄です。醸造所見学では、試飲はもちろんワイン講座を受講してワインの知識を深めることができます。
- 北海道ワイン株式会社公式サイト
- オチガビワイナリー(道央・余市町)
- 余市の郊外に広がるぶどう畑に囲まれた「オチガビワイナリー」。まるで絵画のような美しい光景を望むことができます。花々に囲まれ季節を感じる庭での試飲や、ミシュラン一つ星に輝いた併設レストランでは美味しい料理とのマリアージュを楽しんでみませんか。世界的にも著名なワイン醸造家による、本物のワインを堪能しましょう。
- オチガビワイナリー公式サイト
- NIKI Hills Winery(道央・仁木町)
- 世界最大級のワインコンテストで、赤ワインでは日本初の金賞を受賞し快挙を遂げた実力派ワイナリーです。ワイナリーツアーや試飲はもちろん、宿泊施設、レストラン、丘の上から見下ろすぶどう畑の眺望、四季折々の姿を見せるナチュラルガーデンや木漏れ日が心地よい森林など、洗練された空間が広がります。「HATSUYUKI」シリーズが人気です。
※「会員制(入会費・年会費無料)」「事前予約制」 - NIKI Hills Winery公式サイト
- 余市ワイナリー(道央・余市町)
- 醸造所の敷地内にレストランやカフェ、ショップやギャラリーなどが揃う、食とアートが融合した複合施設です。ワインショップでは、なんと全銘柄が無料で試飲できてしまいます!飲み比べながらお気に入りの1本を探すのにぴったりですね。全国で愛される「余市ワイン」をじっくりお楽しみください。
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ジャパニーズウイスキーの聖地、"ニッカウヰスキー"を訪ねる(道央・余市町)
ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝が、理想のウイスキーを目指してたどり着いたのが「余市」でした。寒冷で湿潤な英国スコットランドに近い気候風土を持ち、ウイスキーづくりに欠かせない原料や製造に必要な条件・物流が揃った余市で、ジャパニーズウィスキーづくりが始まったのです。
「ニッカウヰスキー北海道工場余市蒸溜所」では、ニッカウイスキーの歴史と製造過程を間近に感じることができます。施設内は広く、蒸溜棟や貯蔵庫、旧竹鶴邸など見どころがたくさん。ガイドツアーに参加するとウイスキーづくりの工程や工場の説明を聞きながら楽しく効率的に案内してもらうことができます。散策後にはお楽しみの試飲コーナーへ。長い時間と大きな労力をかけて生まれた国産ウイスキーの歴史に思いを馳せながら頂いてみてると、味わいにも深みが増すかもしれません。
ニッカウヰスキーの創業物語は、竹鶴政孝をモデルとした2014年放送のNHK朝ドラ「マッサン」でも話題になりました。
世界に誇れるウイスキー「厚岸蒸溜所」(道東・厚岸町)
ウイスキーの聖地・英国スコットランドのアイラ島によく似た気候で、理想的な熟成環境が整った厚岸(あっけし)。そこに誕生した「厚岸蒸溜所」が、2020年に初のシングルモルトウイスキーを発売して以降、次々とコンクールで金賞を受賞してきました。今、世界に羽ばたこうとする注目の蒸溜所です。
スコットランドの伝統的な製法で造られるウイスキーは、少しスモーキーな風合いで爽やかな喉越し。そしてなんと言っても、厚岸町名産の「牡蠣(かき)」との相性は抜群です!
生牡蠣と共に堪能しよう!
厚岸は国内で唯一、1年中新鮮な牡蠣が食べられる牡蠣の名産地です。
道の駅「厚岸味覚ターミナル・コンキリエ」では、旬の厚岸産の3種の生牡蠣とウイスキーをセットでいただけます。殻付きの生牡蠣にウィスキーを数滴垂らすとふわっと潮の香りが広がります。まさに厚岸ならではのマリアージュです。それぞれの旨味がみごとに調和する、大人のグルメを楽しめますよ。
冷涼な気候と良質な水で造る日本酒
山や川など雄大な自然、そして、良質な水が豊富な北海道だからこそ造ることができる日本酒があります。
北海道の日本酒は、純米酒が多く淡麗辛口のすっきりした飲み口が特徴なため、海鮮など北海道の美味しい食べ物とも相性抜群です。
厳しい冬を利用しアイスドーム(雪氷室)の中で清酒を絞ったり、流氷を溶かした水を使って仕込む珍しいものも。
日本酒好きの方にはぜひ知っていただきたい、北海道の代表的な酒蔵を紹介します。
- 国稀酒造(道北・増毛町)
- 日本最北の酒造「国稀(くにまれ)酒造」。風情ある酒造を訪れると、全商品が楽しめる利き酒コーナーや国稀の歴史を伝える資料館などを楽しめます。売店には限定酒やオリジナルグッズなど魅力的な商品がずらりと並び、思わず目移りしてしまいます。代表銘柄「国稀」は、熱燗でも冷やでもいける芳醇な味わいです。
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- 男山酒造(道北・旭川市)
- 旭川の名水で醸す代表銘柄「男山」は、日本酒では世界初のモンドセレクション金賞を受賞するなど、数々の世界的なコンクールで受賞歴を持つ銘酒です。約40種類の「男山」から、好みの商品を選べます。江戸時代の酒器や文献を展示する「男山酒造り資料館」も必見です。
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- 小林酒造(道央・栗山町)
- 蔵人の大部分が地元農家の後継者で構成されている小林酒造では、北海道産の水と米にこだわった「北の錦」を販売。代表銘柄「鳳紋」は味わい重視の本醸造です。2020年には「北の錦純米大吟醸~暖簾ラベル~」がフランスで行われたコンクールで受賞しました。1897年(明治30年)に建築された歴代の社長宅「小林家」も必見です。
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- 上川大雪酒造(道北・上川町)
- 極寒の大雪山の麓で大自然の恵みを活かした酒造りを行っています。地元優先で誠実に造られたお酒は、すべてが「手造り小仕込み」の純米酒です。代表銘柄「上川大雪」は、2019年から4度もJAL国内線ファーストクラスに採用された実力派。酒蔵に隣接するギフトショップでは限定品も販売しています。屋外の見学窓から自由に酒造見学が可能です。
- 上川大雪酒造公式サイト
- 碓氷勝三郎商店(道東・根室市)
- 「北の勝」の1銘柄のみ製造する老舗の酒蔵です。中でも数量限定で販売される「北の勝 搾りたて」は入手困難な幻のお酒。毎年1月頃に蔵出しされるのですが、販売開始後約10分で完売してしまうこともあるほど人気です。取り扱いのある飲食店に出会えたらラッキー!
- 碓氷勝三郎商店公式サイト
- 田中酒造(道央・小樽市)
- 「本店」と「亀甲蔵」がどちらも小樽市の歴史的建造物に指定されており、昔の酒屋の雰囲気がそのまま残っています。亀甲蔵では1年を通して酒造所の見学が可能です。代表銘柄「宝川」や仕込み水の試飲も用意されています。小樽市内でのみ販売しているので、お土産にも最適です。
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新たなクラフトジンも続々登場
ジンの原料であり、生命線ともいえるボタニカル。木の根や種子、柑橘類の皮などが使用されており、どんなボタニカルを使うかによって大きく味が変わります。
近年では、強く豊かな生命力をもつ北海道のボタニカルを使用し、新たな"クラフトジン"が続々登場しています。
2020年にオープンした「積丹スピリット」(道央・積丹町)では、積丹(しゃこたん)のボタニカルを原料としたクラフトジン「火の帆(HONOHO)」を販売。本場イギリスと植生が似ている積丹で造られた、本物のジャパニーズクラフトジンです。多くの種類のボタニカルが入っているため、温度と濃度で香りが変わります。ストレートはもちろん、ロックや水割りなどさまざまな飲み方を試してみてください。
新潟の八海醸造のグループ会社が手がけるウイスキーの蒸溜所として2021年に造られた「ニセコ蒸溜所」(道央・ニセコ町)でも、2024年以降のウイスキー販売に先駆けクラフトジン「ohoro」が登場しました。ニセコ町産の二ホンハッカなどを使用しており、しっかりとした味わいに軽やかなシトラスの香りを感じる味わいです。見学ツアー(予約制)、施設内バーカウンターでのジンの試飲(有料)をお楽しみください。
心ゆくまではしご酒
色々なお酒を楽しみたい!という欲張りさんは、はしご酒を楽しんでみては。美味しい出会いを求めてお店を渡り歩く時間は、旅の夜の醍醐味ですね。
北海道の代表的なスポットをご紹介します。
- すすきの(札幌市)
- 飲み歩きならまずはここ!新宿の歌舞伎町や福岡の中洲と並ぶ、国内有数の活気ある歓楽街です。鮮やかなネオンで照らされるビルは、人気の写真スポット。カフェやバー、居酒屋など朝まで賑わう店がひしめき合っています。札幌に泊まるならぜひ、夜はすすきのへ繰り出してみてください。
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- 大門横丁(函館市)
- 函館で飲み歩くなら大門横丁へ。JR函館駅から徒歩5分の距離にある屋台村です。おでんや串カツ、バーにラーメンなど約26店舗の多種多様な食事を楽しめます。ワンコインではしご酒を楽しめる「大門バル」という飲み歩きイベントが開催されることも。
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- さんろく街(旭川市)
- 約1,000店もの旭川の飲み屋が集まる3・6街(さんろく街)。すすきのに続き、北海道で2番目の規模を誇る歓楽街です。地域密着型のお店が多く、どこか昭和を思い出す味のある雰囲気が落ち着きます。旭川に来たらここ、という行きつけの1軒を探すのも楽しいですね。
- 旭川観光コンベンション協会
- 赤ちょうちん横丁(釧路市)
- 道内で最も歴史のある屋台村です。戦後間もない時代に、リヤカーでの露店営業から始まりました。どの店も5~15席程度とこじんまりしていますが、店員さんとの距離感も近く1人で行ってもグループで行っても楽しめます。
- 赤ちょうちん横丁公式サイト
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- 宝水ワイナリー(道央・岩見沢市)
- TAKIZAWA WINERY(道央・三笠市)
- YAMAZAKI WINERY(道央・三笠市)
- 小林酒造(道央・栗山町)
- 余市ワイナリー(道央・余市町)
- 馬追蒸溜所(道央・長沼町)
- 北海道ワイン株式会社(道央・小樽市)
- オチガビワイナリー(道央・余市町)
- NIKI Hills Winery(道央・仁木町)
- 国稀酒造(道北・増毛町)
- 男山酒造(道北・旭川市)
- 上川大雪酒造(道北・上川町)
- 碓氷勝三郎商店(道東・根室市)
- 田中酒造(道央・小樽市)
- 積丹スピリット
- ニセコ蒸溜所
- すすきの(札幌市)
- 大門横丁(函館市)
- 赤ちょうちん横丁(釧路市)
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