支笏湖と平取で楽しむ、3泊4日のアドベンチャートラベル!
最北の不凍湖として知られ、その美しい自然景観が人々を魅了する支笏湖でカヌーを楽しんだ後は、平取町・二風谷地区で今に継承されるアイヌ文化に触れてみましょう。アクティビティ、自然、文化というアドベンチャートラベルの3要素をすべて満たす、3泊4日の旅をご紹介します!
札幌から支笏湖に向かおう!
今回、旅に出たのはアメリカ出身のジェレミーさん、オーストラリア出身のグレンさん、イギリス出身のハティさんの3人。まずは札幌駅に集合して、車で支笏湖に向かいました。
支笏湖ビジターセンターで基礎知識を学ぼう!
支笏湖に到着した後は、湖畔にある「支笏湖ビジターセンター」へ。「森へ、山へ、湖へ もう一つの支笏湖の旅へ」がテーマの施設で、湖の成り立ちや見どころを映像や写真で紹介しています。3人はここで、支笏湖の歴史や自然についてしっかり学びました。
癒しと健康をテーマにした宿でのんびり。
初日の宿泊は、支笏湖ビジターセンターから歩いてすぐの「支笏湖鶴雅リゾートスパ 水の謌」。癒しと健康をテーマにした、森と湖のリゾート&スパです。
支笏湖の美しさを堪能するカヌー体験!
朝からよく晴れて、カヌー日和になりました。ホテルを出て、支笏湖カヌーツアーをガイドしてくれる「支笏ガイドハウスかのあ」に向かいます。ガイドさんから今日のコースや支笏湖の状況などを聞いた後、カヌーの乗り方や操縦法のレクチャーを受けたら、早速ツアーに出発です。
かのあのツアーは、支笏湖唯一の水の出口「千歳川源流部」をメインにしており、風波の影響を比較的受けにくいので安心です。今回は、ゲストが2名1組でカヌーに乗り、ガイドは別のカヌーで案内というスタイルでお願いしました。途中でコーヒータイムも楽しめるカヌーツアーに3人とも大満足。特にグレンさんは「空港からすぐの場所でこんな体験ができるなんて素晴らしい!」と感動していました。
アイヌ文化が残る平取町の二風谷地区へ!
支笏湖を出発して車で約一時間半、到着したのは平取町の二風谷コタンです。二風谷は、その住民の多くがアイヌのルーツを持ち、アイヌ文化を今に継承している地域です。コタンには、アイヌ文化に関連する施設のほか、多くのチセ(家)が復元されています。一行は「平取町立二風谷アイヌ文化博物館」を訪れ、明日のツアーに備えてアイヌ文化についての基礎知識を学びました。
天然温泉と炭酸泉、料理が自慢の宿。
2日目と3日目の宿は、「びらとり温泉ゆから」。パークゴルフ場やキャンプ場、テニスコートなどの施設を備えた「二風谷ファミリーランド」内にある温泉宿泊施設です。道内では珍しい高濃度の炭酸泉のお風呂があり、レストランでは、「びらとり和牛」や平取のトマト「ニシパの恋人」などを使用した料理が人気です。
アイヌの精神や暮らしに触れる特別プログラム!
町内のガイド会社「NEPKI」のガイドさんと一緒に、アイヌ文化をもっと身近で楽しく、より深く学ぶ体験のスタート。アイヌが森に入る際に行うのは、森への挨拶。アイヌ伝統の祈りの儀式で、カムイ(神々)への挨拶と安全祈願を行ったあと、森にまつわる伝承や草木と暮らしの関係性などの話に耳をかたむけながら、平取の森を歩きました。
二風谷コタンのチセは、沙流川流域で採れるヨシ葺きの屋根をはじめ、かつて人々が生活していたものと同じ自然の素材で忠実に再現されています。その中では、アイヌ工芸作家の皆さんが木彫りや刺繍などの作業を輪番で行っています。
伝統的工芸品の「二風谷イタ」「二風谷アットゥシ」をはじめ、二風谷地域には伝統を守る作家たちの工房が並んでいます。工房を訪ねて気軽に会話を交わす中で、アイヌのモノづくりに触れた3人。ヨーロッパの少数民族をルーツに持つハティさんと、アイヌの若手作家との会話が弾んでいたのが印象的でした。
今日のランチは、二風谷アットゥシの作家さんの作業場にお邪魔して、家庭料理をご馳走になりました。山菜やサケを使ったメニューやオハウ(汁物)など、アイヌの伝統料理をベースに現代風にアレンジしたメニューに、3人とも箸を持つ手が止まりません。「シンプルだけど奥が深い味わいだね」とジェレミーさん。
ボリューム満点のランチの後は、腹ごなしを兼ねて二風谷ダムへ。ここは、アイヌ民族の原告がダム建設の事業認定と土地収用裁決の違法性を争う「二風谷ダム裁判」を起こし、初めてアイヌを先住民族と認める判決を勝ち取った場所です。その後、原告の一人だった萱野茂さんが館長を務めていた「萱野茂二風谷アイヌ資料館」へ。萱野さんが収集したアイヌ民具や世界各地の民族の土産品や生活用具などを収蔵展示した施設で、アイヌの日常についてさらに学びました。
二風谷アイヌツアーのラストは、チセの中でのアイヌ舞踊や歌の鑑賞。伝統を継ぐアイヌの若者たちが、カムイを祭るときの「祭り歌」や、みんなが集まったときなどに歌う「座り歌」を披露すると、独特のリズムとメロディーに3人も興味津々。全員で歌いながらの輪踊りを楽しんだ後は、先住民族や伝統文化についてのディスカッションタイムとなりました。たっぷり半日をかけたツアーで、アイヌについての知見や意識を深めることができた3人でした。
3泊目の夕食はびらとり和牛を満喫!
今夜の夕食は、びらとり和牛のハンバーグやステーキが人気のレストラン「じゃんけんぽん」。もちろん一番人気の「ハンバーグ&カットステーキセット」をチョイス。ジューシーで柔らかく、肉そのものの濃厚な味に、思わず「デリシャス!」の声が上がります。
余韻を味わいながら札幌に戻ろう!
支笏湖と平取での旅を終え、札幌に戻る4日目。3人は宿のロビーで今回の旅について振り返りました。「支笏湖の水の美しさには驚いたよ」「SDGsの考え方を先取りしていたアイヌの人々には学ぶところが多いね」「アイヌ工芸品の美しいことといったら!」など、次々に感想が出ています。そして3人が口を揃えたのは「支笏湖と平取は、また訪れるべき価値のある場所」ということ。知的好奇心を大いに刺激された3泊4日でした。