登山02:羅臼岳(知床)

02

羅臼岳(知床)

夏〜秋

世界自然遺産・知床半島の最高峰で
知床半島を体感

2005年に世界自然遺産に登録された知床半島。知床という地名はシリ(陸)・エトク(突端)という意味のアイヌ語に由来します。陸にはヒグマやエゾシカ、海にはクジラやイルカやアザラシ、空にはオオワシやシマフクロウと、たくさんのいのちが共存し、豊かな生態系をかたちづくっているのが特徴です。登山は、知床の自然を体感できる人気のアウトドアで、標高と共に変わっていく自然環境や知床の地形、咲き誇る高山植物やそこで生きる野生動物たちなど知床半島の自然が凝縮されています。まさに秘境と呼ぶにふさわしい半島の核心地域に位置するのが羅臼岳(1661m)。知床連山の最高峰で、日本百名山にも選定されています。

7月上旬~9月中旬が、羅臼岳の本格的な登山シーズン。羅臼岳は1980年選定の「花の百名山」や、その後1995年に新たに選び直した「新・花の百名山」にもその名を連ねる多くの花が咲き乱れる高山植物の宝庫!夏には羅臼平周辺の草地でエゾキンバイソウ、イワギキョウ、エゾコザクラなどの高山植物が一斉に咲き競う様が美しく、登山中にたくさんの高山植物が登山者の目を楽しませてくれます。ゴツゴツとした岩場の斜面でひっそりと花を咲かせる野の花に、なぜ人はこんなにも心惹かれるのでしょうか。厳しい環境に耐え、けなげに花開く、小さくても強い姿に励まされるのかもしれません。

羅臼岳の登山口は、羅臼温泉登山口(羅臼町)と岩尾別(いわおべつ)登山口(斜里町)のふたつが整備されています。岩尾別ルートの方が、羅臼温泉ルートよりも登山道がしっかりしており、距離も短く、登山口から頂上までの標高差も小さく岩尾別ルートから登るのが一般的。羅臼温泉ルートは上級者向けのコースとなります。7月でも残雪があり、9月中旬には雪が降り始めるので、登山シーズンは限られますが、山頂は知床山系が一望できる素晴らしい眺め。北方領土の国後島はもちろん、天気がいい日は千島列島まで見えることも。本格的な登山は体力的に難しいという人は、知床五湖の遊歩道をハイキングしながら羅臼岳の山容を眺めるだけでも、その雄大さを実感できるはずです。

ヒグマが生息する知床半島。奥深い自然を満喫するには、プロのガイドが同行するツアーがおすすめです。知床五湖をめぐるトレッキングや、断崖の森歩き、満天の星空や動物の気配を楽しむナイトツアー、紅葉を楽しむ軽登山など、一年を通じてさまざまなツアーが用意されています。ほかの参加者と一緒になる合同ツアーのほか、ガイドを貸し切る1組限定のオーダーメードツアーを選ぶことも可能。詳しい解説を聞きながら、じっくりと大自然を味わってみませんか。

問い合わせ先:知床斜里町観光協会

画像・取材協力:知床のガイド屋pikki(ピッキ)

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