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No.06
伝えたい「本当の知床」がある

知床ネイチャークルーズ 船長 / 長谷川正人

Profile

知床ネイチャークルーズ 船長 / 長谷川正人

1961年羅臼町で3代続く漁師の家に生まれる。釧路市内の高校を卒業後、親の仕事を継いで漁業に従事。24歳の時「長榮丸」船長として羅臼町で漁業経営。冬は羅臼でスケソウ漁、春から秋は石川県能登半島までイカ釣り操業に出漁。2006年、親子4代続いた漁業を辞めて「知床ネイチャークルーズ」を立ち上げ、観光業の道へ。
https://www.e-shiretoko.com/blog/

漁師の4代目から観光クルーズ船のキャプテンに転身。

うちは羅臼で代々続く漁師の家でな、俺も高校を卒業してからスケソウ漁やイカ釣りをやっていたんだよ。でもだんだん漁獲量が減ってきて、船の老朽化も進んでさ、息子にはこんなつらい思いをさせたくなくて、2006年に思いきって4代続いた漁業をやめて「知床ネイチャークルーズ」を立ち上げたんだ。もともと親父が知床に来る釣り人を乗せる渡し船を運営していたこともあり、観光業はまんざら無縁でもなかったからね。

2005年に知床が世界自然遺産に登録されて注目が高まったけど、観光客が集まるのは知床峠の向こう側、斜里町ウトロの方ばかり。でも実は、森繁久彌さんが作詞・作曲した『知床旅情』の舞台は羅臼だし、「知床」って地名がついた住所があるのも羅臼だけなんだよ。郵便番号で「086-1801」って検索してみな、「北海道目梨郡羅臼町知床岬」って出てくるから。

うちが開業した当時も羅臼を訪れるお客さんが少なかったけど、外国人観光客を中心にシャチウォッチングの人気に火がついてから流れが変わったね。知床は陸域の魅力で語られることが多いけど、海外ではむしろ羅臼の海に魅せられるナチュラリストが多いんだよ。なんでかって?羅臼でしか見ることのできない野生生物や絶景があるからさ!


羅臼に初夏を告げる海の王者、シャチ。

シャチは「海の王者」といわれているけど、まさに北海道の宝だね。春から初夏にかけて、シャチが羅臼沖に集まってくる時期には胸がワクワクしてくるよ!群れをなして悠々と泳ぐ姿が、海上からはもちろん陸からも見えるんだ。これほど間近にシャチが見られるポイントは、日本はもちろん世界中でも羅臼くらいじゃないかな。シーズンを待ちわびるコアなファンも多くて、2年越しで予約を入れるリピーターもいるくらいだよ。


会えるかどうかは運次第。だからクルーズは面白い。

秋ぐらいまではマッコウクジラやミンククジラ、イシイルカなんかもやってくるよ。とはいえ相手は野生生物だし、お盆を過ぎると波が荒くなるから、会えるかどうかは運次第だな。俺たちスタッフが長年の経験と勘でポイントを探りつつ、お客さんも一緒になって探すのがネイチャークルーズの楽しさでもあるんだよ。

知床ネイチャークルーズ

所在地目梨郡羅臼町本町27-1
電話0153-87-4001
公式サイトhttps://www.e-shiretoko.com

流氷が育む豊饒の海に、生命が躍動する。

羅臼には四季折々の魅力があるけど、俺がいちばん見てほしいのは流氷の時期だね。バードウォッチングが盛んなイギリスで「死ぬまでに一度は見たい」と言われている天然記念物のオオワシやオジロワシを、ほぼ100%見ることができる。漁船のすぐそばでオオワシがくつろぐ様子は、流氷の時期ならではの風景だね。

流氷はロシアのシベリア(サハリン北東部)から流れ込んでくる時、植物性プランクトンを一緒に連れてくる。それが春になると一気に増殖し、雪解けとともに知床連山の森林の栄養分が海に流れ込む。この豊かな羅臼の海がなど多種多彩な魚類を育み、それを求める海洋生物や鳥類が集まってくるわけだ。

羅臼の魚に魅せられるのは人間も同じだな。旨みが凝縮した真冬のスケソウダラやウニ、産卵前で脂が乗った春のトキシラズ、肉厚で脂乗り抜群のホッケ……いっぺん食べてみれば羅臼の海のすごさがわかるさ。

流氷の時期に来るなら早起きして日の出を見てほしいな。根室海峡に浮かぶ国後島から登る朝日の美しさといったらない。国後島って沖縄本島よりも面積が大きいんだよ。根室海峡を挟んで国後島に面した羅臼では、その大きさを体感できるよ。


羅臼と斜里で成り立つ「ほんとうの知床」を知ってほしい。

知床といえば、斜里ウトロ側の知床八景や知床五湖を思い浮かべる人が多いかもしれない。でも、海域と陸域を循環する生態系が生み出す生物多様性こそが知床の価値であり、それは羅臼の海なしでは成り立たないものなんだ。

シャチ、オオワシ、そしてヒグマ。海・山・陸の生き物の頂点をすべて見ることができる場所は世界中でも知床しかない。その素晴らしさを実感するためには、斜里だけでも羅臼だけでもダメなんだ。羅臼と斜里それぞれの町を訪れて、「ほんとうの知床」をぜひ体感してほしいな。

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