大人の好奇心を満たす旅へ~吉田類の北海道紀行/空知グルメ編

大人の好奇心を満たす旅へ~吉田類の北海道紀行/空知グルメ編

酒肴と酒縁を求めて、空知うまいもん巡り

Profile

酒場詩人

吉田類(よしだ るい)さん

イラストレーター、エッセイスト、俳人。酒場文化や旅をテーマに執筆活動を続けている。BS-TBSの人気番組『吉田類の酒場放浪記』、全国の低山の魅力を伝える『吉田類のにっぽん百低山』(NHK)などのレギュラー番組の他、NHKラジオ深夜便『ないとガイド~酒のある風景』にも出演。

北海道を愛し、長期滞在する傍ら、HBCテレビ『吉田類 北海道ぶらり街めぐり』で道内各地を旅している姿はHOKKAIDO LOVE!に満ちています。

オフィシャルYouTubeチャンネル

カフェ ストウブ

「あれ、ワインも飲めちゃうの?パンとワインなんてご機嫌じゃない」と早速目を付けた類さん。『カフェ ストウブ』は、美唄市の郊外に立つベーカリー&カフェ。シェフの石井賢さんが焼き上げるパンは、かみしめるほどに小麦の滋味と香気があふれ出す逸品だ。

北海道産の小麦を石臼びきで製粉し、生地を作って発酵・熟成・成形。生地の中心まで素早く火が通る薪焚きの石窯を駆使して、外はカリカリ、中はふんわりと焼き上げる。

類さんは当然の流れで「パン飲み」の一手。まだ日が高いものの、白ワインのグラスについつい手が伸びる。「美唄、最高だね」。

美唄のおいしい食材や空知産のワインと、パンとの出合いを創出する場として、平成29年(2017)にオープンしたベーカリー&カフェ。季節やその日の状況によって販売するパンは変わる。

「手作りの石窯に火を入れるのは毎朝3時ごろ。2時間かけて窯の中の温度を上げ、焼いています」と石井さん。

近隣農家の野菜や地場の肉を使った一皿と、石窯パンの盛り合わせ「季節のプレート パンセット」は1,000円〜


美唄市西5条北5丁目5-5

TEL.0126-35-4077

10:00~18:00 月・火曜休

JR「美唄」駅より車で10分

ヴルストよしだ

さて、昼からパン&ワインを堪能した類さんは、続いて新十津川町のハム・ソーセージ工房『ヴルストよしだ』へ。平成20年(2008)の開店以来、道産豚のそれぞれの部位の味わいを生かしながら、ドイツの伝統的製法にのっとって製造している工房だ。

店頭には常時20~25種が並ぶが、地元産シイタケを加えた「しいたけソーセージ」や「オリーブソーセージ」など5品が、本場ドイツで開催される食肉業界最大規模の国際コンテスト「IFFA2016」で金賞を受賞。他にも銀賞・銅賞に輝いた商品があり、世界がそのおいしさを認めている。

店頭で特別に試食させてもらった類さん、「シイタケの香りがいい。いや~、これはうまいよ!」。新十津川まで足を運ぶ価値が十分にある、隠れた名店だ。

切り口が美しい「しいたけソーセージ」100g486円など。種類豊富なハムやソーセージを店頭でじっくり選びたい。

店主の吉田智博さんと固い握手。「これからも期待してます!」。

店舗には工房も併設。世界が認めた絶品ソーセージの味を求めて、遠方からも多くの客が訪れる。


新十津川町中央6-99

TEL.0125-72-2525

10:00~18:00 

火・水曜休

新十津川町役場より車で1分

ブラッスリー楽や

日も暮れてきて、「そろそろ本格的に始めましょうか」という類さんの号令一下、今宵の口開けは滝川の名店『ブラッスリー楽や』で決まりだ。

地元の鮮魚店「川野名商店」をルーツに持ち、気兼ねなくおいしい居酒屋メニューを堪能できると評判の店。いかにも居心地のよさそうなカウンターにサッと陣取った類さんは、ビールから日本酒へとスムーズに進行。店長の川野名順さんが腕によりをかけて仕上げる料理に思わず箸が伸びる。

「やっぱり刺身がとてもおいしいですね。滝川にこんな実力派のお店があるなんて、愉快痛快」と上機嫌の類さん。杯もトークも絶好調で、常連さんたちと大いに盛り上がった。

清潔感あふれる洗練された店構え。小上がりは全室掘りごたつの個室スタイル。事前に予約した上で訪れたい。空知産のワインを無料で持ち込める「滝川BYO」加盟店。


滝川市本町2丁目4-30

TEL.0125-23-2333

17:00~23:30(祝日~23:00)

日曜休

JR「滝川」駅より徒歩10分

中村屋

お次はちょっと離れた岩見沢市へ。向かうは、料理人として約20年腕を磨いてきた中村学さんが、平成30年(2018)に開いた『中村屋』。店主の感性と技術が冴える創作料理を提供する、岩見沢でも気鋭の居酒屋だ。

刺身や揚げ物からアンガス牛の肉料理、ピザとジャンルは幅広く、また「枝豆の薫製風」など、定番に一手間加えた料理にも定評がある。人気の軟らかくジューシーなローストビーフを食べて「これからの居酒屋料理は、こうじゃないといけません」と類さんも太鼓判。好物の〆サバも「酢の加減が絶妙」と瞬く間に平らげてしまった。

次々と供される空知の美味に類さんも大満足。地元の人たちとの酒縁を深める中で、お気に入りの店がまた一軒増えたようだ。

サシがしっかり入ったザブトンで作るローストビーフや薫製の香りをまとわせたポテトサラダなど、酒飲み心をくすぐるセンスのいい料理がずらり。火~土曜のみのランチも好評だ。


岩見沢市4条西1丁目2-7

TEL.0126-28-9172

17:00~23:00

日曜・祝日休

(連休時は要問い合わせ)

JR「岩見沢」駅より徒歩9分

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