タンチョウを見られるスポット4選

タンチョウを見られるスポット4選

雄大な大自然が広がる北海道には、野生動物がたくさん生息しています。その中でも折り鶴や昔話に登場したりと古くから日本人に愛されてきた「タンチョウ」は北海道を代表する野鳥として親しまれています。北海道に来たら、特別天然記念物のタンチョウにぜひ会いに行ってみてください!ここではタンチョウを観察できるスポットをご紹介します。

北海道の道鳥「タンチョウ」とは?

日本に生息する野鳥の中では最大級の大きさで、体長は約140cmもあり、羽を広げると約240cmに達することもあるのだそう。

白い羽毛に覆われ、頭頂部の鮮やかな赤が特徴的なタンチョウは、漢字では「丹頂」と書き、丹は「赤」、頂は「頭」の意味で、頭が赤いことが由来といわれています。


主に湿原や河川、湖沼などに生息しており、一時は湿原の開発や乱獲によって生息数が激減し絶滅したと思われていたタンチョウですが、大正時代に釧路地方で再発見され、その後地元の人々による給餌などの保護活動によって、現在では約1,500羽を超すほどまでに回復したと言われています。


タンチョウは冬に雪原や給餌場で見ることが多いため季節によって生息地をかえる渡り鳥のイメージがありますが、実は1年中北海道に生息しています。春から夏は繁殖や子育ての時期。そのため湿原のいろいろな所に点在して子育てをしているため、運がよければ野生のタンチョウを見ることができますよ。

夫婦円満の象徴とも言われるタンチョウは、繁殖相手が決まると生涯の伴侶として添い続けるそうです。2月中旬頃に見られる、翼を大きく広げた求愛ダンスはとっても優雅で印象的です!

おすすめタンチョウ観察スポット
〈給餌場のあるスポット〉

1. 鶴見台


北海道の東部に位置する鶴居村。鶴居村は釧路湿原に囲まれ、毎年タンチョウの越冬地となります。その鶴居村にある給餌場のひとつが「鶴見台」。給餌場では、餌が減少する冬場でもタンチョウが生き延びることができるようにトウモロコシなどの餌を与え、タンチョウを保護しています。給餌は11月から3月の冬期間に行われ、毎年180羽前後のタンチョウがエサを求めて飛来してきます。広々とした敷地内で悠々と過ごすタンチョウの姿はとっても優雅!2月になると求愛をするタンチョウの姿など、訪れるシーズンによっていろいろな姿が楽しめます。毎年冬になると全国からたくさんのカメラマンや観光客が訪れる人気のフォトスポットでもあります。また、鶴見台の正面にはカフェがあり、食事をしながらお店の窓からタンチョウが見られることも。おいしいお食事と美しいハーブ畑、お土産もそろっているので、ぜひ併せて訪れてみてください。

2. 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ


10ヘクタールもの広大な敷地に、毎年約300羽近くのタンチョウが飛来する、鶴居村のもうひとつの給餌場です。毎年11月から3月の冬期間に給餌が行われ、多くの観光客でにぎわいます。通常9時と14時頃に餌を与えており、その時間帯に訪れるとたくさんのタンチョウが餌をついばむ貴重な姿を見ることができますよ。また、サンクチュアリ内には日本野鳥の会が運営する「ネイチャーセンター」が併設されており、屋内からもタンチョウを観察することができますので、寒い季節に訪れても安心。レンジャーやボランティアのガイドさんから、タンチョウの生態や鳴き声、行動についてなど詳しい解説を聞いてから観察するのがおすすめです!美しく鳴き合う姿や優雅に飛び立つ姿など、ゆっくりとタンチョウ観察を楽しんでください。

3. タンチョウ観察センター


毎年11月から3月の冬期間に、タンチョウ観察センターの前に広がる給餌場では、トウモロコシなど人工給餌を行っています。野生のタンチョウが150羽~300羽ほど飛来する壮大な風景が広がります。また、屋外からだけではなく、無料の双眼鏡が備え付けられた暖かい室内からもタンチョウの姿を眺めることができ、寒い季節の観察も安心。軽食や喫茶コーナーもあるのでゆっくりと過ごすことができます。

 

また、隣接する「阿寒国際ツルセンター グルス」は、1年中オープン。屋外にある「野外飼育場」では、タンチョウとマナヅルが飼育されており、季節を問わず間近から観察することができます。夏季、野生のタンチョウに出会うことは難しいため、自然に近い状態で飼育されているタンチョウをいつでも観察できるのは嬉しいですね。

館内も、タンチョウの生態や特徴などを詳しく学べる展示室や映像コーナー、タンチョウに関する文献が揃うライブラリーなど充実の施設。子供が楽しみながら学べるコンピュータークイズや木製玩具で遊べるキッズスペースなどもあるので、ファミリーで訪れるのにもピッタリです。料金は、タンチョウ観察センターと共通なのでぜひ併せて行ってみてくださいね。

〈季節を問わずタンチョウを見るなら〉

4. 釧路市丹頂鶴自然公園


釧路市丹頂鶴自然公園では、十数羽のタンチョウがのびのびと暮らしており、タンチョウに1年中いつでも会うことができます。自然公園はタンチョウの保護と増殖を目的に作られており、1970年にはタンチョウの人工ふ化に世界で初めて成功し、優れたふ化技術を持つ施設としても有名。タンチョウが暮らしやすいよう自然により近い状態で飼育されており、イキイキと過ごすタンチョウを観察することができます。また、近い距離からタンチョウを見ることができるのもこの施設の魅力のひとつ。小さなお子さま連れでも観察しやいのもポイントです。タンチョウは、4月から5月の春先に繁殖・出産期を迎えるため、その時期に訪れるとタンチョウのヒナに出会えることも!家族を大切にし、夫婦が生涯添い遂げる習性を持つタンチョウの子育てを間近で見られるのは貴重な経験になりそう。園内には飼育場を一望できる展望台や、展示室、室内からタンチョウを眺められる休憩室もあります。「たんちょう釧路空港」から車で約10分とアクセスも良好なので、気軽に訪れることができますよ。

SL冬の湿原号

釧路湿原国立公園を走る「SL冬の湿原号」は、冬の北海道観光の風物詩。北海道の雄大な大自然の中を走りぬく姿は迫力満点です!毎年1月から3月にかけ、冬季のみの期間限定で運行しており、JR北海道の釧路駅から標茶駅まで走行距離48.1km、約1時間半のSL列車の旅を楽しめます。車両は、趣のあるダルマストーブが設置されたストーブカーや、タンチョウやエゾシカが内装にあしらわれたたんちょうカー、売店が併設されたカフェカーなどバラエティ豊か。車内もレトロな内装で、SL列車の味わいがさらに引き立てられノスタルジックな雰囲気を楽しめます。爽快に進む列車の車窓から望む景色も絶景!壮大な釧路湿原が目の間に広がり、運がよければタンチョウや、キタキツネ、エゾシカなど野生動物の姿が見られることもあるそう。ネイチャーガイドさんの解説や車窓さんのアナウンスなど、期間限定の特別列車ならではのお楽しみもいっぱいです。SLの旅は、きっと冬の北海道の特別な思い出になりそう!ぜひ乗車してみてくださいね。

SL冬の湿原号

【番外編】動物園でタンチョウを見るなら

旭川市旭山動物園
旭川市旭山動物園
北海道の観光名所としても人気の動物園。園内では、動物本来の行動にあわせた快適な空間でのびのびと過ごす動物たちの姿を見ることができます。中には「タンチョウ舎」もあり、タンチョウの暮らす湿原や湿地をイメージできる環境を再現、高さが9mもある広々とした施設と放飼場で、小魚やドジョウなどを探しながら食べるイキイキとした様子も観察できます。他にも、北海道の動物園ならではの「えぞひぐま館」や「エゾシカの森」、「北海道産動物舎」などがあり、北海道のさまざまな動物たちと出会うことができます。
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釧路市動物園
釧路市動物園
広々とした園内には、約60種、約390点にものぼる動物が過ごしています。また、開園当時から「タンチョウ保護増殖センター」が設置され、ケガをした野生のタンチョウの治療や保護、増殖事業にも取り組んでおり、いのちをつなぐ重要な施設となっています。園内には、「北海道ゾーン」があり、シマフクロウ、オオハクチョウ、エゾリスなど北海道に生息するさまざまな動物たちが暮らしています。また、「タンチョウ観察広場」では、元気に過ごすタンチョウを間近で見ることができますよ。
釧路市動物園 公式サイト

ルールを守ってタンチョウを観察しよう

北海道のタンチョウ特集はいかがでしたか?北海道には、天然記念物や絶滅危惧種に指定されている動物も多くいます。タンチョウや野生動物を観察する際は、決められた場所以外には立ち入らない、大きな声や音を出しておどかさない、エサを与えない、フラッシュ撮影はしないなどマナーやルールを守り、動物たちの姿を見守りましょう。ぜひ、雪のなかで舞う優美なタンチョウの姿を楽しんでくださいね。

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