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囚人生活を再現した監獄博物館

天都山の麓にある、網走刑務所の建造物を移築した、野外歴史博物館。東京ドーム約3.5個分に相当する敷地内にはさまざまな施設が存在し、うち8棟が重要文化財、6棟が登録有形文化財となっている歴史的価値の非常に高い場所です。独居房や浴場など当時使用されていた施設には、入浴している囚人や連行される囚人、脱走を試みる囚人など、当時の様子を再現した人形が多数配置され、リアルな監獄生活を見学することができます。

貴重な資料の数々から囚人の歴史を学ぶ

月形樺戸博物館は、本庁舎、本館、農業研修館の3館で構成されており、1881（明治14）年に置かれた北海道初の集治監、樺戸集治監に関する資料が数多く展示されています。本館には看守の使用品や文献などの貴重な資料や、囚人と開拓の歴史をCG映像で見られるシアターコーナー、囚人たちが実際に行っていた作業を体験できるコーナーがあり、樺戸集治監があった当時のリアルな様子を学ぶことができます。

刑務所長が起居した官舎

三笠市に存在した北海道初の近代炭鉱である幌内炭鉱では、空知集治監に収容された多くの囚人が日夜労働に励み、過酷な生活を強いられていました。事故や病気などで亡くなることも多く、合葬碑が千人塚史跡公園に残されています。典獄（現在の刑務所長）が暮らしていた官舎の跡地に立つのが、旧空知集治監典獄官舎レンガ煙突です。高さ約8ｍの煙突は、明治23年に官舎を全面改築した際に、囚人たちの手によって作られました。現在は、三笠市の文化財に指定されています。

過酷な労働を強いられた囚人たちの軌跡

標茶町博物館のそば、塘路湖の湖畔に佇む建物が北海道集治監釧路分監本館です。1885（明治18）年に建てられ、1911（昭和44）年に移築、標茶町郷土館として開館しました。一見、西洋のおしゃれな家に見えますが、内部は明治の雰囲気を感じるような間取りになっており、当時の様子を解説したパネルや写真などが展示されています。北海道開拓のために連れてこられた多くの囚人たち。彼らが周辺の工場や倉庫での労働、道路の建設などを行っていた記憶を現代に伝えてくれています。

公園内に点在する十勝監獄の痕跡を巡る

十勝監獄（帯広刑務所）の跡地、緑ヶ丘公園にある帯広百年記念館では、十勝地方の歴史や産業、自然などの資料が多数展示されています。その中には十勝監獄に関する資料もあり、当時の監獄写真や十勝の開拓に貢献した囚人たちに関する展示など、100年以上も前にあった十勝監獄の歴史を知ることができます。その他、緑ヶ丘公園内には、現存する帯広市最古の建造物であり、同市初の市指定文化財である石油庫、道内ではここでしか見られないレンガ窯の跡、道路工事中に見つかった炊事場跡など監獄が存在していたことを示す史跡が多数残されています。