道東を巡る、野鳥の生態発見ツアー！
北海道ほど野鳥観察に適した場所はありません！北海道だけでも、象徴的なタンチョウをはじめ、オオワシ、オジロワシ、エトピリカなどの希少種をはじめ、日本の鳥類の約半数に出会えます。鳥類学者のマーク・ブラジル博士に、道東の人里離れた場所で、ユニークな野生生物に出会うバードウォッチングの楽しさについてお話を伺いました。
Profile
マーク・ブラジル博士
弟子屈町在住の鳥類学者、自然保護論者、ジャーナリストなどマルチな才能を持つ日本一の博物学者です。学術論文やニュースコラムなどの著書があり、日本の野鳥をテーマにした図鑑や博物図鑑も多数執筆しており、日本ネイチャーガイドの創始者です。1983年以来、日本におけるネイチャーツアーの促進に尽力してきています。最新刊に「日本：アジア列島の自然史」、「ワイルド北海道」があります。
独特の地理条件のひがし北海道
自然豊かな北海道として知られていますが、特にオホーツク紋別空港、女満別空港、根室中標津空港、たんちょう釧路空港からアクセスできるひがし北海道は、多種多様な景観が織りなす絶景を楽しむことができます。北海道の鳥類を長年研究しているマーク・ブラジル博士は、道東の生物多様性に魅了され、2年前にこの地域に引っ越してきました。「網走から釧路まで、海岸線のどこでも、野鳥観察者にとっては本当に魅力的です」と言います。網走の能取岬の断崖絶壁、火山活動によって形成されたなだらかな森林、起伏に富んだ知床半島など、独特の地理条件を有しています。東海岸を下って野付エリアに行くと、海流によって砂や土が堆積してできた砂嘴地形を見ることができます。ここに生息する種がよりユニークで多様であるのは、これらの地理的条件のおかげです。
バードウォッチングの名所
網走国定公園の海岸浅瀬に位置し、地形の影響でできた海跡湖である濤沸湖は、夏には野草やノバラが咲き誇り、冬にはガン・カモ類など、何万もの渡り鳥がここにやってきます。また、知床半島や野付半島では日本を代表する鳥、タンチョウを観察することができ、鳥愛好家にとっては見逃せないバードウォッチングの名所です。
絶滅危惧種オオワシ
さらにエキサイティングなのは、有名な世界自然遺産の知床半島エリアです。毎年冬になると流氷の景観を楽しむことができ、流氷クルーズは知床半島の羅臼町から1月～3月頃に出航します。このツアーに参加すると、運が良ければ絶滅の危機に瀕しているオオワシを見ることができるチャンスがあります。マーク・ブラジル博士は、「オオワシは『世界で最も大きく、最も印象的なワシ』であり、東アジアと北東アジアでしか見られず、人間にとって不可欠な観察対象である。」と言いました。
「オオワシを間近で観察したいバードウォッチャーには、羅臼町から南西に車で約2時間の距離にある弟子屈町の摩周湖もおすすめです。摩周湖の火口縁では、湖上を舞うオオワシや様々な美しい野鳥を観察でき、雄大な景観を同時に楽しむことができる絶好のバードウォッチングスポットです。」
世界最大のシマフクロウ
マーク・ブラジル博士は、道東の代表的な鳥といえば、シマフクロウも一見の価値があると言います。シマフクロウは絶滅危惧種で「とても珍しくて特別な鳥です。間違いなく世界最大のフクロウです。私はフクロウに出会うととても興奮しますね。」「これらの鳥を探したい場合は、夕暮れから数時間以内が最適です。彼らは一日中ねぐらにいて、空腹満たすため、餌を探して狩りに出かけようとするところだからです。」
また、早起きができる人なら、鳥たちの「夜明けのコンサート」を聴きに出かけることもマーク・ブラジル博士は勧めています。「夏の早朝には、鳥たちの素晴らしい歌声が合唱のように聞こえ、鳥たちがさえずる姿はとても美しいです。野鳥観察に慣れていなくても、ぜひ聴いてみてください。鳥の合唱は、鳥と触れ合う方法でもあります。」
双眼鏡とフィールドガイドを持って
北海道の大自然の中では、毎日違う発見があります。その証拠に、インタビュー当日、マーク・ブラジル博士は最近の発見について話してくれました。「北海道には温泉がたくさんあるので、露天風呂に浸かりながら近くの野鳥を探したりもします。その際に見つけた鳥を記録するリストも作っています。今日温泉に入ろうとした時に見つけたレンジャクをリストに加えることができました。鳴き声を聞いた瞬間、気温はマイナス4℃でしたが、すぐにお風呂から飛び出して、寒い思いをしましたが、その価値はありました。」
北国の雄大な景色を楽しみながら、バードウォッチングの初心者から鳥類の専門家まで、野鳥の豊かな生態を観察できます。ひがし北海道の絶景の中で出会える野鳥は無限大です。双眼鏡とフィールドガイドを持って、この美しい世界の片隅を訪れてみませんか?
