馬と一緒に生きてきた北の大地の歴史。いざ、北海道の馬文化を知る旅へ!

馬と一緒に生きてきた北の大地の歴史。いざ、北海道の馬文化を知る旅へ!

江戸時代にニシン漁でにぎわった浜を支えたのも、明治の開拓で人々と苦労を共にして大きな労働力となったのも、空前の競馬ブームを支えたたくさんの名馬も、北海道の馬たちでした。北の大地を生きた人々と馬たちの絆は強く、そこには長い歴史があります。北海道遺産にも選ばれている「北海道の馬文化」に触れる旅に出かけましょう!

「どさんこ」って道民のこと? 馬のこと?

北海道生まれの人のことを「どさんこ」と呼ぶことがあります。漢字では「道産子」と書くこの言葉、北海道和種という品種の馬の名前でもあるのです。どさんこは北海道で生まれた品種ではなく、江戸時代に本州の人々が東北地方から連れてきた「南部馬」がルーツ。夏の間にニシン漁場で働いて、人間は厳しい冬を前に本州へ戻りますが、馬はそのまま野に放たれました。その南部馬が北海道の気候に適応したのが、どさんこの先祖と言われています。


どさんこの体高は125〜135㎝ほどと、ポニーと同じくらいの小さな馬ですが、筋肉質でがっちりとした体格をしています。急な山を登って切り出した木を運んだり、背中に大量の荷物を載せて運んだり、小さいながらもパワフルな仕事で人々の生活を支えました。どさんこに多い側対歩(そくたいほ)という歩き方は、背中の上下動が少ないため荷崩れしにくく、人間が乗ってもあまり疲れないのが特徴です。現代ではそれを活かして、ホーストレッキングなどのアクティビティでも活躍しています。


[どさんこホーストレッキングが楽しめるスポット]

世界でもオンリーワンの「ばんえい競馬」って?

明治の北海道で、開拓地の切り株を引き抜き、田畑を耕し、山から巨木を運び出すために、馬はなくてはならない存在でした。開拓が進むと、海外から重種馬という大型の馬を輸入して品種改良が行われました。それが通称「ばん馬」と呼ばれる農耕馬です。道内各地で開かれた、自慢の馬の力を競う「お祭りばん馬」が、やがて馬が重いソリを引いて順位を競う「ばんえい競馬」に発展しました。「ばんえい競馬って、どさんこのレースだよね?」と誤解している人も多いのですが、実はまったく違うんです。


ばんえい競馬は、今では十勝の帯広競馬場のみで開催されています。コースは200mの直線。騎手は480㎏~1トンの重りを乗せた鉄そりに乗って、人馬一体でゴールを目指します。コースの途中には2つの坂があり、これを乗り越えたところにあるのがゴールです。高さ1.6mの最後の坂の途中で馬の足を止めて息を整えたり、下から勢いをつけて一気に駆け登ろうとしたり、騎手たちの駆け引きも見どころのひとつです。


一般的な競馬は鼻先がゴールラインに届くまでが勝負ですが、ばんえい競馬はソリの後ろ端がゴールラインを越えなければ決着がつきません。馬はもうゴールを超えているのに疲れて動けなくなって、後から来た馬に先着を許すというのも、ばんえい競馬では「あるある」のシーン。単なるスピードではなく、馬力と駆け引きで決まる、こんな競馬は確かに他にはありません。体重1トンにもなる重種馬の迫力と、観客が馬たちと並走しながら応援できる楽しさを、ぜひ帯広で体験してみてください。

日本一の馬産地・日高で、馬のいる風景を満喫!

競走馬の生産地は「馬産地」と呼ばれますが、北海道は日本一の馬産地です。日本のサラブレッドの生産頭数は年間約7,500頭前後、そのうち約98%が北海道で生産されています。中でも日高地方は生産数が多く、なんと全国の80%が日高産の馬なのです。広大な土地が安く手に入れられたことと、北海道の中では温暖で降水量が少なく、馬の食糧となる牧草が育てやすかったことがその理由と言われています。


日高にはたくさんの牧場があります。馬たちがのんびりと草を食んだり、仔馬が元気に走る光景は、北海道を代表する観光資源にもなっています。また、激しいレースを引退して、おだやかな余生を過ごす名馬たちに出会うこともできます。日高で牧場を見学するにあたっては、あらかじめ馬産地についてよく知っておくこと、そして最低限のルールとマナーを守ることが大切です。「競走馬のふるさと案内所公式ホームページ」の「牧場見学マナー9箇条」を必ずチェックしてください。また、見学の前には、新ひだか町にある「競走馬のふるさと 日高案内所」を訪れて最新の情報を手に入れることをおすすめします。

もっと気軽に馬と触れ合いたいならここ!

北海道旅行のついでに、もっと気軽に馬たちと触れ合いたい……そんな人におすすめなのが、苫小牧市にある「ノーザンホースパーク」。広大で美しい自然の中、約80頭の馬たちと出会えるテーマパークです。観光ひき馬やホーストレッキングなどの乗馬体験や、馬車、ポニーのショーなど、小さな子どもから大人まで馬との触れ合いを楽しめるメニューがいっぱいです。場内にあるきゅう舎では、JRAの重賞レースで優勝した名馬を見学することもできます。何より、新千歳空港から車で15分というロケーションなので、空港に着いたらすぐ、飛行機に乗る前にちょっと、という楽しみ方ができるのがうれしいところです。

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