北の大自然を全身で感じるひととき「天塩川カヌートリップ」
日本でも指折りの大河・天塩川の流域には、北海道らしい雄大な風景が広がります。力強い流れとの一体感を楽しみながら、「天塩川カヌートリップ」に出かけてみましょう。カナディアンカヌーを自分で操る快感と、北海道ならではの大自然を感じる、感動の旅が待っています。
日本中のカヌーイストの憧れの地、それが天塩川
石狩川に次いで、北海道で2番目の長さ(256km)を誇る天塩川は、天塩岳を水源として北へ向かって流れ、やがて日本海に注いでいきます。上流部には名寄市や士別市といった地方都市がありますが、下流へ向かうに従って原野に分け入っていくのがこの川の魅力。特に河口から約160kmまでの区間は川を横切る障害物がなく、日本中のカヌーイストの憧れの地としても知られています。カナディアンカヌーで雄大な流れに乗って、道北の自然にダイレクトに触れる天塩川でのカヌーは、はじめてのカヌー、川下りにチャレンジしたいという方にもおすすめです。雄大な自然をじっくり味わう、川旅の原点のようなカヌートリップを体験してみませんか。
自分でカヌーを操作して川を下る本格的なツアーへ
北海道アウトドアガイドの辻 亮多さんが代表を務める「river trip CAMEL」が実施する天塩川カヌートリップは、ゲストが自分たちでカヌーを操作して川を下る本格的なツアー。カヌーの乗り方やパドルの使い方など、基本から丁寧にレクチャーしてもらったあとは、川へ漕ぎ出しましょう。水の中を滑るように進む感覚を全身で感じながら、カヌーは流れに乗って大自然の奥へと入っていきます。のんびりと景色を眺めながら漕ぐのがカヌー、というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、天塩川ではもっとアクティブに川と向かい合わなければなかなか前に進めません。力強い流れをつかまえて、時には激しい波を乗り越えて、少しずつ川のリズムとひとつになる……そのプロセスも含めて楽しめるのが天塩川カヌートリップです。
大自然と向き合う、現代人にとって贅沢な時間
北海道遺産でもある天塩川は、手つかずの自然が広がっています。天然記念物のオジロワシやオオヒシクイなどの飛来地であり、本流には幻の魚・イトウも生息しています。カヌーからは、エゾシカやキタキツネ、ときにはヒグマなど、流域の野生生物を間近に感じることもできます。鮮やかな新緑や咲き誇る野花、燃えるような紅葉など、季節の彩りも見所の一つです。川の流れる音、パドルで漕ぐ音、鳥の鳴き声、水面を渡る風の音……その中をツアーは進みます。北国の厳しくも美しい大自然とシンプルに向き合う時間は、現代人にとって贅沢なひととき。大自然を切り拓いて進むような感覚は、まさにアドベンチャートラベルそのものです。
カヌーの上から見えてくる、道北エリアの本当の魅力
天塩川カヌートリップは、約3時間の半日コースと、約6時間の1dayコースの2タイプ。「ちょっとカヌーを体験するというのではなく、せっかくなら道北の自然としっかり向き合ってほしいんですよ」と語る辻さんが目指しているのは、シンプルで豊かな「暮らすような旅」を提供すること。川岸でキャンプをしながらカヌーでの川下りを堪能する、天塩川キャンプトリップ(1泊2日)やレイク&リバーキャンプトリップ(2泊3日)には女性ゲストも多く、そのほとんどがリピーターに。初めて会う者同士で川を下り、食事を作って寝る、アウトドアの原点のような旅の中で自分自身を見つめ直す人も多いそうです。北海道のダイナミックな自然と一体になれる天塩川でのカヌーを通して、道北エリアの本当の魅力が見えてくるかもしれません。
取材協力
river trip CAMEL(リバートリップキャメル)
北海道中川郡美深町字美深170-6
01656-8-7037/090-3461-3057