元気な野鳥の姿に癒される!
北海道でバードウォッチング

元気な野鳥の姿に癒される!北海道でバードウォッチング

自然豊かな北海道で楽しんでみたいアクティビティの1つがバードウォッチング。ここでは、各地のバードウォッチングスポットを紹介します。北の大地にたくましく生きる野鳥たちから、元気とパワーをもらいましょう!

「北海道の鳥」に指定されているタンチョウを間近で見よう!

美しい姿で知られるタンチョウは、日本で繁殖する唯一の野生ツル。漢字の「丹頂」の丹は「赤」、頂は「てっぺん」の意味で、頭のてっぺんが赤いことが由来です。アイヌ語では「サルルンカムイ(湿原の神)」と呼ばれる、北海道を代表する鳥であり、国内希少野生動植物種や特別天然記念物として保護されています。明治の半ばに絶滅したと考えられましたが、その後に生息が確認され、地元の給餌活動や国の保護事業によって生息数は年々増加傾向にあり、近年では1,000羽を超える数が観察されています。


そんなタンチョウを観察するなら、タンチョウに関する日本で唯一の施設「阿寒国際ツルセンター グルス」と、隣接する「タンチョウ観察センター」がおすすめ。グルスの「野外飼育場」では、自然な状態に近いタンチョウの姿を1年中観察することができます。また、タンチョウ観察センターでは11月から3月にかけて人工給餌が行われ、多い時は300羽近い野生のタンチョウが集まることも。館内には軽食・喫茶コーナーがあり、暖かい室内からタンチョウの優雅な姿を眺めることができます。

バードウォッチングに最適!サンクチュアリ(野鳥の聖域)とは?

日本野鳥の会が設置する「サンクチュアリ」は、人と自然の出会いの場であり、地域の自然保護の拠点です。野鳥などの生息地の保全を主な目的としていますが、訪れた人々がそこの自然を直接体験する場所でもあります。森や林、草原、水辺には自然観察路があり、その季節の野鳥をはじめ多様な自然が楽しめます。サンクチュアリにはネイチャーセンターという拠点施設があり、レンジャーと呼ばれる専門の職員が、保全のための調査や自然環境の管理、自然体験の手助けなどの活動を行っています。


会が自ら運営する2ヶ所のサンクチュアリは、どちらも北海道にあります。1981年に初めて設置された「ウトナイ湖サンクチュアリ」があるのは、苫小牧市のウトナイ湖。多くの渡り鳥が飛来するこの場所では、これまでに約270種の野鳥が確認されています。鶴居村にある「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」では、絶滅危惧種であるタンチョウの増加や生息環境の保全に取り組んでいます。バードウォッチングはもちろん、野鳥についての知識や情報も得られるサンクチュアリ、ぜひ出かけてみては?

渡り鳥や海鳥のダイナミックな習性を観察できる人気スポット

渡り鳥や繁殖する海鳥の習性が観察できるバードウォッチングスポットも人気です。まずご紹介するのが、美唄市の西端に位置する宮島沼。このラムサール条約登録湿地は世界でも有数のマガンの渡来地です。毎年春と秋にやってくるマガンは、その数なんと6万羽あまり。ここに滞在する間、マガンは朝早く宮島沼から飛び立って周辺の田んぼにエサをとりに出かけ、日没頃になるとねぐらの宮島沼に帰ってきます。数え切れないほどのマガンが一斉に飛び立つシーンはまさに感動的! マガンの群れと朝日や夕日とのコラボレーションが楽しめるのも魅力です。


北海道北部にある羽幌町の沖合に浮かぶ天売島は、8種類・約100万羽の海鳥が生息する「海鳥の楽園」です。地元ではオロロン鳥と呼ばれる、天売島のシンボル・ウミガラスは、絶滅危惧種として保護されており、天売島が日本で唯一の繁殖地です。海鳥の繁殖地の中心ポイントに設けられているのが海鳥観察舎。内部には無料で利用できる50倍の双眼鏡が設置され、ウミガラスをはじめ、ウミウの子育ての様子や、岩礁で遊ぶケイマフリなど、海鳥の自然な行動をじっくりと観察することができます。野生の厳しさと海鳥のたくましさを感じることうけあいです。

砕氷船に乗って流氷の上のオオワシ・オジロワシに会う

最後は、期間限定のバードウォッチング体験をご紹介します。北海道のオホーツク海沿岸に、遠くシベリアから流氷が押し寄せてくるのは例年1月下旬のこと。知床半島にせき止められて流氷の密度が高くなる網走や紋別では、流氷を砕きながら海を進む「流氷砕氷船」が運行します。網走の「流氷観光砕氷船おーろら」は、流氷を船の重みで豪快に割って進むタイプで、紋別の「流氷砕氷船ガリンコ号」は、大きなドリルで流氷を砕いて突き進むタイプです。


あたり一面を埋め尽くす流氷も絶景ですが、厳しい寒さと共に生きる野鳥の姿が観察できるのもこの船の魅力です。流氷の上では、アザラシがごろんと寝転んでいたり、日本最大の猛禽類のオオワシやオジロワシが羽を休めている姿が見られることも。オレンジ色のくちばしが特徴のオオワシと、名前の通り白い尾羽が特徴のオジロワシは、流氷の時期の渡り鳥です。厳寒期の独特な世界の中で野生のたくましさに触れると、生きる活力が湧いてくるような気がします。

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