最北の文化と歴史を味わう旅【稚内空港編】

最北の文化と歴史を味わう旅【稚内空港編】

北海道の北部は、広大な森林や美しい自然が広がる地域です。宗谷管内猿払村の「カムイト沼」は、ハンノキやトドマツの原生林に囲まれ、神秘的な雰囲気を醸し出しています。稚内市と旭川市の中間に位置する美深町は、ほとんどが森林であると言われています。森の中にうねる天塩川は日本のユーコン川とも呼ばれ、カヌーが大人気です。

この地域では、木材や動物の毛皮、ハチミツなどの自然由来の素材を使った素朴で心温まる工芸品が数多く生み出されてきました。旅行者が実際に手作りを体験できる施設があります。アイヌ文化にルーツを持つ彫刻家による作品を展示する記念館、オホーツクや樺太の歴史文化博物館など、他では見ることのできない北海道に関する貴重な資料を展示する施設が多数あります。ものづくりや工芸を通じて異文化を体験したい旅行者にとって、思い出に残る旅になるでしょう。

オホーツク文化の展示:オホーツクミュージアムえさし

枝幸町は、北海道の北東部、オホーツク海に面した町です。オホーツク文化は、5世紀~10世紀にかけて漁業を中心に育まれてきました。「オホーツクミュージアムえさし」には、その文化を色濃く反映し、当時の暮らしぶりを伝える目梨泊遺跡のレプリカや竪穴住居の模型、土器などの貴重な資料が展示されています。また、全長7mを超える日本最大のシャチの骨格標本や、周辺に生息する動物の剥製など、オホーツク海ならではの展示も見ることができます。入場は無料で、同じく無料で貸し出されるタブレット端末で展示物の詳しい解説でご覧いただけます。博物館は毎週月曜日と毎月最終火曜日が休館日です。

リラックスした時間:そうや自然学校

中頓別町は、町の中心を頓別川が流れ、周囲には鍾乳洞や公園、砂金採りのできる川などがあります。また、町の8割が森林で覆われており、「木の町」としても知られています。ここでは、北海道を代表する樹木トドマツの葉や地元産のはちみつを使った石鹸や化粧水の手作り体験ができます。トドマツの精油のお土産も付いているので、道北の森の中にいるようなリラックスした時間をお過ごしいただけます。

木製マグカップ作り:アートビレッジ恩根内

美深町は稚内から車で2時間ほどの距離にあります。旧小学校校舎を改修して建てられた「アートビレッジ恩根内」では、手作り「ククサ」作り体験ができます。ククサとはフィンランド発祥の木製マグカップで、このマグカップをもらった人には幸せが訪れると言われています。美深町の山から切り出したシラカバなどの木を彫刻して磨き上げ、約2時間で完成するマグカップ。家族や友人と過ごす時間を共有するのに最適なお土産となるでしょう。

世界で1枚だけのmyボード:リバートリップキャメル

「雪板クラフト&プレイ」は、ゲレンデで滑り疲れた方、また違った角度から粉雪を体験したい方におすすめの特別プランです。冬季限定(1月~3月上旬)の連続2日間プランです。ビンディングやエッジのないオリジナルボードで滑り、雪上サーフィンを体感してください。プランの1日目はデザイン画から形の切り出しまでボードの作成を中心に行い、2日目にはボードが完成したらすぐにフィールドへ出られます。形状、デザインともに完全オリジナルのスノーボードで滑るのは、上級スノーボーダーにとっても新鮮な体験となるでしょう。送迎サービスと宿泊スタッフの両方が温かく迎えてくれます。雪に入るときはスノーシューをお忘れなく!

ウールならではの温かみ:羊服工房粗清草堂

美深町の羊服工房粗清草堂は全国の多くの牧場とは異なり、羊を飼育しています。羊の持つ能力を最大限に活かし、刈り取った羊毛を染色してウールロービング(撚りのない太いフェルト糸)となります。カラフルなフェルトと特殊な針を使ったキーホルダーや、農園オリジナルのダンボール織機の生地を使ったしおりなどを作ることができます。所要時間は1時間程度なので、旅の途中で時間に余裕があれば、気軽に立ち寄って創作活動を楽しむことができます。ウールならではの温かみのあるかわいらしいアクセサリーは、使うたびに旅の思い出を思い出させてくれるお土産です。

砂澤ビッキの熱量:エコミュージアムおさしまセンター「BIKKYアトリエ3モア」

音威子府村は、稚内市から南に車で約2時間の距離に位置する、日本で最も人口の少ない村の一つです。1978年に移住した現代彫刻家の砂澤ビッキが、村の廃校を「アトリエ3モア」と名付け、約1,000点の作品を制作しました。彼の死後、村民の尽力によりアトリエは記念館として再開され、現在は約200点のアイヌのルーツに基づく文様が表現されている作品が展示されています。「ビッキ」とはアイヌ語で「カエル」を意味する愛称です。

宗谷と島のつながりの歴史:稚内市樺太記念館

サハリンは、日露戦争後の1905年に日本の領土となりました。その後、日本人やロシア人が移住するようになり、島の南半分は日本領土となりました。稚内市には領土の歴史に関する資料約2,000点の寄贈があり、2018年に記念館が開館しました。稚内とサハリンを結ぶフェリーの模型を見学できるほか、島の暮らしや稚内・宗谷と島のつながりの歴史について学ぶことができます。

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